児童相談所の「おじさん」にいただいた紫陽花が3年越しに咲きました
実は娘が保育園児の頃、毎朝、児童相談所で遊ばせていただいておりました。
部外者にも関わらず、児童相談所の方がみなさん本当に温かく迎えてくださり、職員「おじさん」に特にお世話になりました。
「おじさん」からいただいた紫陽花が3年越しに花を咲かせ、当時を思い出し、児童相談所に対する自分の中のイメージが変わったな、と、親だけが子どもを育てるんじゃないんだな、と実感しました。
登園中に必ず寄る、児童相談所
え…!?と驚かれるかもしれないのですが、娘が保育園児の頃は、毎朝、児童相談所に遊びに行っていました。
約1年間ぐらいだったかな…。毎朝。
丁度、道すがら児童相談所がありまして、いつも素敵な手作りのおもちゃが植栽に置いてあり、ひとしきり遊んでから駅に向かう、というルーティンを繰り返しておりました。
なので遊ぶ時間を確保するため、毎朝7時30分出発。
児童相談所で20分程遊び、電車に乗って阿佐ヶ谷の園まで登園。
大体1時間30分ぐらいかけて登園しておりました。
私が早く仕事に行かなきゃいけない日も、そのルーティンをスキップすることは許されず、ちゃんと児童相談所で遊ぶ時間をいつも通り確保できるように早めに家を出発する、という。。。
児童相談所の職員である「おじさん」に声をかけていただいたことがきっかけ
最初は児童相談所の外の植栽の手作りおもちゃで遊んでいたのですが、植栽を手入れされていた「おじさん」に声を掛けていただき、季節も丁度暑い頃だったので、児童相談所の中で涼ませていただくように。
児童相談所の中には、実は相談の順番を待っている子ども用におもちゃがいっぱいありまして。
結構ボロボロなのですが、5歳や6歳の子どもには十分で、かつ馴染みのない雰囲気で、児童相談所内のありとあらゆる物で遊ばせていただきました。
ベビーベッド・チラシ・キャンペーンののぼり…etc
児童相談所の職員さんとの思い出の数々…
児童相談所の方だからなのか、完全に部外者なのにも関わらず、「おじさん」だけでなく、「おじさん」がお休みの日も、どなたもいつも本当に温かく迎え入れてくださいました。
その後、
- 植栽の手作りおもちゃは「おじさん」の趣味で、「おじさん」のひらめきで作っておられることがわかったり、
- 一時的に児童相談所で預かっている児童養護施設のお子さんのカメに毎朝エサをあげさせてもらったり、
- 「おじさん」の「新作」を最初に見させていただいたり、
- 「おじさん」にアサガオの花をプレゼントしたり、
- 他の職員さんから手作りおもちゃをいただいたり、
- 娘が遊ばなくなったぬいぐるみやおもちゃを寄付させていただいたり、
- 「おじさん」が娘に手作りのキティちゃんをプレゼントしてくださったり、
- 「おじさん」がとても温かい方なので、近くをいつも散歩させている犬の「ぺぺちゃん」とも「おじさん」つながりでお友達になれたり、
- 毎朝植栽の手入れをされている程にお花好きの「おじさん」から娘の保育園のクラス名だったマーガレットをいただいたり、
- 「おじさん」がお孫さんと捕まえたおたまじゃくしをいただいたり、
- 「紫陽花が綺麗ですね」とお話ししていると挿し木で根がついた紫陽花を鉢植えでいただいたり…
と、思い出は数え切れず。。
子どもの成長は一瞬。別れは突然やってきた
しかし、別れは突然やってきて…
子どもの成長はある日突然、一気にやってくるものでして…
ある日の朝、突然「もう児相(児童相談所)行かない。」と言うのです。
今は引っ込み思案で人見知りの激しい娘なので、毎日児童相談所で色んな方と交流させていただいていたのが信じられないのですが、ある日突然、そうなってしまい、その日から一切行かなくなってしまいました。
私としては本当に申し訳なく、後日、正直にそのまま児童相談所の職員さん(「おじさん」ではない方)にお話ししました。
すると、「それも成長ですね。ここで過ごしたことの全部は残ってないと思うけれど、何かほんの少しでも〇〇ちゃんの中に残って、成長を支えていると思いますよ。」と言ってくださり…
聞くと「おじさん」はこの数日の間に定年退職され、最後の日に私達を待っていてくださったのだとか。。
もう涙が止まらん…
後日、別の職員さんから、おじさんが託されたという連絡先をいただきました。
「おじさん」からいただいた紫陽花が3年越しに咲きました
そして、ようやく今年、3年前に「おじさん」からいただいた紫陽花の花が咲きました。
娘の好きな色であるピンクと紫の可愛らしい色は、「おじさん」が選んでくださったんだな、と。
「おじさん」のお話では2年目には咲くと伺っていて期待していたのですが、去年は咲かず、その後、葉枯れをするのでお水をいっぱいあげなきゃ!とあげているとカビの病気になったり、うっかり私が2階の窓のサッシ掃除をしていた際の洗剤をかけてしまったり…
幾多の苦難(?)を乗り越え、毎日世話して咲いた紫陽花は感慨もひとしおで、写真を撮って、「おじさん」にメールさせていただきました。
児童相談所に対するイメージが変わった
児童相談所はものすごく敷居の高いものだと思っていたのですが、職員の皆さんは本当に温かく、どの方も子どもが大好きで、幼児期の娘の成長を支えてくださいました。
親だけが子どもを育てるんじゃないんだな…と腹から実感させていただいた思い出でもあります。
地域に自分の子どもを気にかけてくださる方がいる、というのはとても心強いもので、児童相談所に対する自分の中のイメージが大きく変わり、私の視野も少し広がったように思います。
この場を借りて、本当にありがとうございました。