PTAってどんなだろう?1年間委員長をやってみた

このサイト・および記事にはアフィリエイト広告を利用しています。

「小1の壁」の要素の1つにも挙げられるPTAへの参加。

目にするのは「PTAの作業をアウトソーシングした」・「PTAを解散した」などの報道。
そこからはPTAの作業ってアウトソーシングしなければいけない程大変なのか…
PTAって意味ないから解散したのかな…などのネガティブな想像が浮かんでしまう。
入学前に保育園のママ友と話していても、PTAは避けるべきものというイメージを持っている方が多いな、と感じていました。

私自身はPTA=ボランティアという理解でいて、育休&共働きコミュニティ「ikumado」のメンバーでもあり、ボランティアで集う人達の素晴らしさを日々実感していることもあり、ネガティブなイメージは全く抱いていませんでした。

PTAとはどんなものなのか知りたいこともあって、1年間委員長をやらせていただいたので、PTAの実態とともにまとめました。

なお、PTAの運営実態は同じ自治体でも学校によりかなり異なります。
本記事は私の娘の学校のPTAなので、もちろん全ての学校に当てはまる訳ではありません。

現地対応が年間数日あるが、知り合いが増え普通に楽しかった

担当したPTAのポジションにもよると思いますが、結論から書くと、現地対応が必要な日が年間数日あるのですが、1年生で保育園の仲間ともバラバラになってしまった私としては、知り合いが増えた上に、子どもと触れ合う機会をいただけて、普通にとても楽しかったです。

また、委員長というポジションということもあり、会議はオンラインにしようとか、どれくらい委員の方にお願いするか・どれくらい自分が巻き取るか、や、どれくらい手間をかけるか(こだわるか)、は自分の裁量で決められたので比較的自由にやりたいようにやらせていただいたかな、と感じています。

担当したポジション:イベントを支援するグループの委員長

PTAの組織図として会長の下に作業内容ごとに副会長→委員長・委員 が設置される構造になっていて、私は2023年度はイベントを支援するPTA委員の委員長をやらせていただきました。

委員全体のお仕事内容としては1年あたり4回あるイベントのお手伝いするという役割です。

PTA組織図

委員長の仕事としては去年の仕事内容を把握し、委員の皆さんにお仕事をお願いするというイメージ。
委員の方に作っていただいた文書をチェックしたりという事務的な作業もありました。
委員の方が忙しかったり、作業内容的に難しかったりする場合は代わりに対応したりもしました。

委員の方は大きなイベント1回と、その他小さなイベント3回のうち1つの対応にあたるというもの。
参加者募集のための文書を作成したり、抽選したり、参加に必要な連絡をしたり、当日現地対応をしたり、という内容でした。

副会長はイベント主催者とのパイプ役になり諸々の調整を行ったり、委員の方に作成いただいた文書を学校に配布するための手配をしたりといった内容でした。

大きなイベントは当日と前日の対応が必要

1つは大きなイベントでそのイベントの当日(休日・朝~夕方)と前日(平日・夕方)は委員長・委員は全員での対応が必要でした。

大きなイベントなので副会長と委員長はイベントの打ち合わせに平日数回出席する必要がありましたが、普通の委員さんは特になし。

また、事前準備としても大きなものはなく、委員長である私が委員さんそれぞれのタイムテーブルを作ったぐらいでした。

副会長はイベント主催者との調整が結構大変だったようでした。

それ以外の3つのイベントは1つを選んで休日に半日の対応

それ以外の3つのイベント(どれも休日・半日)は、委員さんがどれか1つを選んで対応する、というものでした。

私は委員長でもあり、子どもと触れ合いたかったこともあり、3つ全てのイベントに出向きました。

事前準備としてはイベント募集のお知らせのための文書を作成(去年のものをコピペ)したり、参加者に連絡をしたりといった程度で、負荷としては大きくありません。

ただ、“何をすればいいか”、がわかっていれば大したことはないのですが、PTAは全て任期が1年であり、初めての作業を去年のデータを見ながら行う、というのはしんどい面もあると感じました。

PTAの良い面

担当させていただいた委員の活動を通してようやくわかった・見えたPTAの良い面です。

違う世代の方と交流できる

担当した委員がイベントを支援する役割だったのですが、イベントの主催者は実は地域のおじいちゃん・おばあちゃん達のグループでした。

こうしたイベントはおじいちゃん・おばあちゃんにとって子ども達と触れ合う貴重な機会なのではないかと思ったりします。

PTAをさせていただくまで考えもしなかったのですが、自分もこの地域でおじいちゃん・おばあちゃんになるんだな、と。
自分が年を取った時に、こうした地域の世代間の交流があることはとても楽しいことなんじゃないかな、と。

子どもと触れ合うと何だか元気をもらう気がしていて、子どもにはそうした不思議な力があるんだなぁと、ある時から思っています。

子育て支援もとても大切ですが、自分がおじいちゃん・おばあちゃんになった時に、おじいちゃん・おばあちゃんが元気になる取り組みをしてくれる地域というのは嬉しいな、と思います。

自分の子どもだけでなく、地域の子どもの成長を支える

ものすごく漠然としていて、PTAをさせていただくまで考えもしなかったことですが、1つ1つのイベントは小さくて、1つがなくなっても実際に大きな影響はないだろうと思います。

でも自分が子どもの頃を振り返って、自分も色んなイベントに参加させてもらったなぁと思います。
地域のお祭りや地域のバレーボールクラブの大会、地域の運動会などの大小様々なイベント、etc…
こうしたお祭りや大会・イベントの開催にあたり、それを支えてくれた方達にはやっぱり賃金は発生していなかったと思います。

それらに参加したからこう育つ、という明確なものはないけれど、子育てってそんなものかな、と思います。

色んな子どもがそれぞれ色んなことをそれぞれの感受性で感じながら経験し、それらがその子の中でもうぐっちゃぐちゃに混ぜ合わされてその子という人間を形作っていく。

1つ1つがどんな影響を与えるかなんて因果関係はわからないし、経験したことが何十年も経ってある時ふっと思い出されたり、何かをするエネルギーに変わっていたり、長い間思い出や記憶として心に残ったり…。

実際、今回PTAで支援させていただいたイベントに参加した際、主催者のおじいちゃん・おばあちゃんのお話が長いな、、、と思いましたが、おじいちゃん・おばあちゃんってそういうものなんだ、とどこかで感じ、ダイバーシティの片鱗を考えるきっかけになっているかもしれません(笑)

何の役に立っているか、なんてわからないけれど、自分だけでなく地域の子どもが色んな経験をするためのお手伝いをさせていただけた、ということを考えさせていただけたことも貴重な経験でした。

PTAの負の面

実際にやらせていただいてこれはつらいな…、と感じるPTAの負の面もたくさん見えました。

PTA会員・非会員の取扱いが違う

PTAに加入するかは任意のため、イベントのお知らせを配布するにもPTA会員向け・非会員向けで対応を分けなければいけない場面がありました。

結果的にはそうした煩雑な対応は今年からしなくて良いことになったのですが、PTA会員にはメールで連絡・非会員には文書で連絡、など忙しい中、PTAの作業をして下さっている委員の方に余計に負担になっているな、と感じました。

ITツールへの理解度がバラバラ

PTA委員をやると言って下さり一緒にお仕事することになった委員のメンバーですが、会社とは違って、各種ITツールへの理解度がバラバラなのはちょっとしんどいな、、と感じました。

会社だと連絡ツールは〇〇を使え、このツールは使いこなせるようになれ、と業務命令をすることができますが、PTAにはそんな強制権限はありません。

委員の方達に連絡をしようにも、この人はLINE・この人はメールと使い分けなければいけなかったり、Googleドキュメントを全く使ったことがなく、イベントのお知らせ文書の作成などをお願いすることができず、こちらで巻き取ったりといった対応が必要でした。

対応内容の詳細が事前にわからない

PTAの委員募集の際に、事前にどんなことをする役割なのか、詳細がよくわからないのはなかなか「やります」と言いにくいものがあると思いました。

「大体これぐらいの拘束時間だよ」というのは情報をいただけるのですが、必要な情報は拘束時間だけではなく、実際どんな作業を1年を通してどんな時期にするのか、というもっと細かい情報だったかな、と。

任期が1年だからPTAの仕事のノウハウが引き継がれない

PTAの委員は任期1年です。

PTAに限らず、どんなお仕事も慣れって大事かな、と思います。

どんなことをするか、や、そのお仕事のコツが頭に入っていると負荷は大分軽いと思うのですが、PTAは1年で変わってしまうので、毎年初めての方が作業に必要なことを頭に入れることから始まるのは結構辛いだろうな、と思いました。

やってみて初めて、“ここはこうした方が更に効率が良い”というのがわかると思うのですが、そのノウハウが活かされないまま、任期が終わってしまうのは少しもったいないと感じました。

ボランティアなのにポイント制という矛盾

負の面というかそういう制度なのですが、娘の学校のPTAではポイント制を採用しています。

PTAの各お仕事にポイント数が決められていて、卒業までに〇ポイント貯めるようにしてください、必要なポイントが貯まっている方はPTAのお仕事を辞退できます、というもの。

私自身はこのポイント制にものすごく違和感を感じています。

「PTAのお仕事を辞退する権限を得るために、PTAのお仕事をしてください」って何かおかしいな、、、と。

委員さん達ご自身のお仕事がお忙しい時期も当然あり、PTAのお仕事をやろうとしているけれどできない、という場面もあります。

そういう時、ボランティアなんだから誰がやってもいいのでは、と私は思うのですが、ポイント制であるが故にこれだけの作業量はしてもらわないとポイントはあげられない、となり、助けてはいけない、となってしまう場面がありました。

PTAが何のために存在しているか詳細が事前にわからない

入学前にPTAに加入するか聞かれるのですが、そもそもこの学校のPTAは一体何のために存在しているのか、をよく知らないのは大きいと思います。

PTAの会則に「家庭と学校の協力によって子供の幸せと心身の成長を助けること」というかなり抽象的な記載があるのですが、この記載とPTAのそれぞれの個別の活動がどう関係するのか、入学前にイメージするのはとても難しいことなのではと感じます。

対応内容が把握できれば隙間時間でできる作業量

PTAは誰がどんなふうにその委員を仕切るかにより運営の仕方は千差万別ですし、何の委員を担当するかにもよりますが、去年どんな風に対応したのか、というのが把握できれば、基本的には前年度にやったことを踏襲していくので、隙間時間にサッと対応できる作業量じゃないかなと感じています。

また、現地での対応が必要な日はかなり前からわかっているので、下のお子さんがいらっしゃるなら下のお子さんも含めて、面倒を見てくれる夫などを確保しておくと良いかと思います。

PTAは過渡期・今の時代に合うよう少しずつ変えようとしている

やってみて感じたことは、PTAのお仕事を引き受けてくださった前年度の方達などが、今の時代に合わせて、一生懸命PTAを変えようとしてくださっているということです。

何か正解の型がある訳でもなく、学校により「こうした方が良い」というのは様々なので、みなさん暗中模索ながら、Googleのツールを様々に取り入れてくださったおかげで資料の共有をGoogle Driveで行えたり、イベントの募集をGoogle Formで行えるようになっていたことはかなり負担軽減になっていると思いましたし、打合せはオンラインミーティングで行うことも可能でした。

時代は変わっていて、PTAが昭和のままでいいはずない、とみなさんが思ってくださっているのは大変ありがたいと思いました。

ただ、まだ完成形ではなく、過渡期なんだと感じています。
なので、PTAの活動に力を貸していただける際は、みんな暗中模索で何とか少しでも良くしていこうとしている最中なんだと、広い心でいてくださると良いのではないかと思います。
ぜひみんなで知恵を出し合い、少しずつ良くしていければ、と考えます。

PTAに関するその他の記事

◆PTAで広報委員をしている記事。割と楽しんでやっています。

◆学校給食の試食会(PTAが企画してくれています。)